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【ベッカー型筋ジストロフィー闘病記録:1】筋ジストロフィーの症状と注意すべきこと

難病の体験談
筋ジストロフィーってどんな病気?

こんにちは、Gorian91(@gorian91)です。

突然ですが、筋ジストロフィーという病気をご存知でしょうか?

井上雄彦さんの漫画「リアル」に出てくる「ヤマ」こと山内仁史がこの筋ジストロフィーという病気です。漫画やアニメ作品にも使われていることから、難病の中では、比較的有名な病気であると言えます。

私は、中学生の頃に筋ジストロフィーであることがわかり、自身の身体について悩んでいました。幸いにも、筋ジストロフィーという病気の中でも、私は軽度なベッカー型だったので、深く思い悩むことはありませんでしたが、それでもコンプレックスがありました。

その証拠に、家族に恋人、親しい友人、高校時代の事情を知る人以外は、話をしたことがなかったのですが、この経験が誰かの役に立つように、ベッカー型筋ジストロフィーについて紹介しようと思います。

筋ジストロフィーについて

ウィキペディアには、こう書かれています。

筋ジストロフィー(きんジストロフィー)とは、筋線維の破壊・変性(筋壊死)と再生を繰り返しながら、次第に筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称である。発症年齢や遺伝形式、臨床的経過等から様々な病型に分類される。その内、最も頻度の高いのはデュシェンヌ型である。

筋ジストロフィー – Wikipediaより引用しました。

簡単に言うと、少しずつ筋肉の力が弱くなり筋肉がやせていく遺伝性の病気です。

病気は特徴によって、大きく4つに分類されます。一般的に認知されているのは、最も出現頻度が高く、重症であるデュシェンヌ型。

このタイプの方は、筋力の低下が早く、20代前後で心不全や呼吸障害などの症状によって亡くなります。

心臓も筋肉ですからね。幸いなことに、私は、病気の中でも最も軽度であるベッカー型でした。

ベッカー型の筋ジストロフィーは、筋肉の細胞の骨組みをつくるジストロフィンと呼ばれるタンパク質の遺伝子が減少したり、異常がある状態です。

参考:もしも私が、筋ジストロフィーじゃなかったら、女たらしでどうしようもない、ろくでなしのクソ野郎なっていたかもしれない

自分の場合は、健康な方に比べて数万分の1の量。最終的に心臓の筋肉が動かなくなって、心不全、呼吸不全になる可能性が高いようです。

ちなみに、デュシェンヌ型の発生率は、3,500人に1人の割合で発症。ベッカー型は発症年齢・重症度に幅があるため患者数の把握が困難とされていますが、デュシェンヌ型の1/4程度人の割合で発症するといわれています。(数値のデータは難病情報センター:筋ジストロフィーを参照)

私の場合は、母の兄が同じ病気だったので遺伝しました。ちなみに、僕には兄が1人いますが、兄は至って健康です。

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この病気は、個人差が大きくて、同じ病気でも筋力低下の進行に大きな差があって、例えば、ベッカー型であれば、50代まで普通に歩ける方もいれば、30代で歩けなくなる方もいます。

私は20代後半で普通に歩けているので、進行は遅い部類といえるでしょう。

こんな症状がある場合は要注意

この病気は、遺伝性で、年をとると共に進行していきます。

ベッカー型は比較的病気の進行が遅いので、小学校くらいまでは身体能力も他の子供とあまり変わらないため、気づかない親御さんも多いです。大人になっても気づかない人がいるくらいですから。

小中学校で下記のような症状がある場合は、病気である可能性があるので、血液検査をすることをおすすめします。

筋ジストロフィーの可能性がある症状

  • 短距離走が極端に遅い
  • こむら 返りが頻繁に起こる
  • 体重が軽く極端に痩せている
  • 太ももが細くふくらはぎが太い
  • 身体が固い

こむら返りというのは、痛みを伴う筋肉の痙攣みたいなもので、筋肉痛のひどいやつですね。

個人差があるので参考になるかはわかりませんが、私の年齢ごとの体の変化については、こちらの記事に書いているので参考になさってください。

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自分の中でのコンプレックスと疑問

病気が発覚したのは、中学2年生の時だったと記憶していますが、自分の中で他の人と身体が違うと思ったのは、小学校の頃でした。

休み時間に遊びに出て、チャイムがなって教室に戻るとき、みんな階段を2段飛ばしでかけあがって行ってるのに、私は、どう頑張っても一段ずつしか登れませんでした。

50m走を走れば10秒台マラソンも人より早く走れない

鍛えても筋肉がつくことはなく、逆に力が抜けて、身体が弱っていっているような感覚があり、疑問が募るばかりでした。

中学生に入って、高熱を出して病院に行き、血液検査をしたときに筋ジストロフィーの疑いがあるということがわかりました。

ただ、身体の異変は小学校の頃から気づいていたので、自分の中では、ショックを受けるというよりは、「そういうことだったのか!」と妙な納得とともに受け入れることができました。

とはいえ、病気は進行していきます。

中学校で走ることができなくなり、高校時代にはスポーツができなくなり、専門学校を卒業する頃には、階段が登れなくなっていました。

高校時代は、病気がコンプレックスとなった結果、オンラインゲームに没頭、青春時代を闇に葬り去る結果になりましたw

ちなみに、今27歳ですが、階段は登れない、スロープレベルの坂がしんどい、歩くとすぐに息切れを起こすなど、身体的な感覚としては、足腰の弱い60代の方くらいですね。

注意しないといけないこと

筋力の低下が主な症状となるので、筋肉を使いすぎないことが大切になってきます。

かといって、使わなさすぎても、筋力が低下していく一方なので、適度に筋肉を使うことが大切なんですね。

もっとも簡単に筋肉に刺激を与える方法はストレッチです。同じベッカー型の人に話を聞いてみると、ほとんどの方がストレッチをされています。

同じ病気の方に聞いた日々の体のメンテナンスや気をつけることについてはこちらの記事でまとめています。

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また、ここは意見がわかれるところかもしれませんが、私個人の考えを言うと、もしやりたいことがあるのなら、体をしっかり動かせるうちに、多少無理をしてもやっておいた方が、後で後悔しなくて済むと思います。

例えば、僕の場合は「ゴルフ」をやっています。激しく体を動かすことはないにせよ、僕の今の体の状態を考えれば、間違いなく、体には良くありません。これから先、長く歩けることを優先するのなら「ゴルフ」は絶対にやめるべきです。

でも、僕は、ゴルフが好きだし楽しいからやります。もしそれが原因で、病気が早く進行するとしても、やりたいことはできるだけやっておきたい。

できなかったことを後悔するくらいなら、今無理をしてでもやる。これもひとつの選択肢です。

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あと、一番注意しないといけないことは、心臓の状態です。心臓も筋肉の塊ですからね。無理をすると心臓に負担がかかり、寿命を縮めることになります。

筋ジストロフィーは、不整脈など心臓疾患も併発している場合が多いようで、2〜3ヶ月に1度は定期健診を行くようにと病院の先生には言われています。

私は1年前にいって、心臓は健康なレベルと判断されてから、面倒なので行ってませんが …。

あとは、急に力が抜けることがあるので、転倒しても大丈夫なように、階段や坂道などを歩くときは、なるべく手すりを持つようにするとか、エレベーターやエスカレーターを利用することが望ましいです。

まとめ

今回は、病気の基本的な症状について書きました。

漫画では重症の方が描かれていたり、情報サイトを見ても、重症であるデュシェンヌ型が取り上げられていて、極端に恐れられていると感じます。

私は楽観的な人間なので、たいして気にしていませんがw

実際、以前にお付き合いしていた彼女に話をしたとき、自分では問題視してなかったにもかかわらず、心配され、かなり動揺させてしまったことがあります。

私は両親の教育のおかげで、ネガティブに捉えることなく、それなりに楽しく生活できていますが、親が病気について気づかなかったり、周囲に理解者がいないと、一人で抱え込み、苦しんでしまうこともあると思います。

そんな方に、この記事が目にとまり、見てもらえれば嬉しいなぁと思います。続編もそのうち書きます。

コメント

  1. 大橋春美 より:

    初めまして、息子の痛みが少し理解できて思わずコメントを残させていただいてます!
    11歳の息子が筋ジスのベッカー型です。
    8歳の時に息子が扁桃腺切除の手術をする為に受けた血液検査で筋ジスのベッカー型という事が発覚しました。
    今現在、小学校が各学年多くて3クラス、大体が2クラスくらいしかない小学校なので先生や、クラスメイトも息子の事を気にかけてくれているので学校生活にそこまで不安がないのですが。
    2年後からは、中学生になるのでそうなると息子の事を全然知らない子達、先生、まして中学生になると色々環境が変わるなとふと心配になりネット検索をしていたら。
    このブログに辿りつき、息子はまだ歩けますか、学校(正常時の息子のゆっくりな徒歩で5分程度)の下校時によく足が痛くなり、歩けなくなり道に座り込む事が多々あり。
    どんか感じで痛いのか、息子はあまり痛さを上手く口で表現してくれないので今までわからなかったんですが、ブログを読み理解できました(−_−;)そんなに、痛かったのかと…
    なので、今後の参考にさせて頂きたいので是非今後も発信よろしくお願い申し上げます。

  2. gorian91 より:

    >大橋春美さん
    はじめまして、gorian91です。

    記事をご覧いただき、ありがとうございます!
    参考になる情報を提供できて良かったです。

    今となっては自分の限界を知ったので、筋肉痛を起こすこともなくなりましたが、小・中学校の頃は、登下校でよく足が痛くなり、途中で休憩しながら帰ることを繰り返していました。

    こむら返りは、筋肉を使いすぎた時だけでなく、ストレッチをしていないのに、いきなり激しく動いたり、急に体に力を入れたときにも起こります。

    特にこれからの季節、寒くなってくると、筋肉が硬くなり、ふとしたきっかけでこむら返りが起こるので注意が必要です。

    痛みの表現は難しいところですが、分かりやすく言うと、鋭い痛みを伴う痙攣のような感じです。

    そして、痛さにも段階があって、軽い筋肉痛のようなものから、激痛で全く動けない段階まであります。

    太ももの内側、ふくらはぎ、腹筋が痛くなると、歩くのはかなり辛いですから、痛みの場所と程度を聞いて、休憩しながら歩いたりすることも必要です。

    とはいえ、徒歩5分くらいの距離でしたら、よっぽど激しい運動をしない限りは、激痛まではいかないと思いますので、そこまで心配することはないと思います。

    徐々に、自分の限界を体が覚えて無理な体の使い方をしなくなると、こむら返りを起こさなくなってくると考えられます。

    私は昔よりも筋力がかなり落ちていますが、歩くスピードを調整したり、坂道を避けたりすることで5〜6キロ歩いても筋肉痛にはなりません。

    あと、男の子の場合は、中学校あたりから、身体能力に差が出てくるので体育の授業は、様子を見て見学することも必要になってくるかもしれません。

    他にも困ったことがあったら、なんでも聞いてくださいね!

  3. 早苗 より:

    息子の大学の友人が同じ病です
    タイプはわかりませんが
    いい出会いができたんだと感謝しています
    ずっと友達であってくれたらなあと思います

  4. 早苗 より:

    アドレス抜けていました
    すみません(^∧^)

  5. 川島  より:

    始めまして

    9歳の息子がベッカー型と3年ほど前に診断されました。

    5年ほど前に肺炎症状で病院に行った際、クレアチンキナーゼの数値が高いことから入院。

    その後、数値が高いままだったことから、専門病院にてベッカー型であることが判明しました。

    判明後、妻のいとこもベッカー型であることが分かりました。

    息子も妻のいとこも血液検査の数値異常があり、その後の検査により判明しています。そのため、症状はありません。

    症状がいつ出てくるかはわかりませんが、医師のアドバイスもあり普通の子供と同じようにサッカーなどを楽しみ、普通の生活を送っております。

    今後はどうなるかは不安もありますし、本人にどのように伝えるかは色々考えないといけないと考えております。

    今後とも記事の更新楽しみにしています。

  6. 真理子 より:

    こんにちは。
    こちらのblogを最近見つけて拝見しました。私の息子が現在小学6年生で、1年生のときにベッカー型と診断されました。保育園のときに爪先歩きだったのと運動が苦手だったため病院にかかり、でも異常なしと言われていたのですが何軒めかの整形外科病院で血液検査の結果判明しました。1年生の頃は走るのが遅かったり運動苦手、たまに足が痛いと訴える程度だったのですが今現在歩行は可能ですがかなり遅く、走ることは出来ず階段も手すりを使いやっとの思いです。立ったり座ったりも辛いようで学校の集会などは立ったままいたり椅子を用意してもらったりしているようです。
    こちらのblogを読んで症状が家の子と同じだったのでこんなに辛かったんだなぁーと目が覚めた思いです。ベッカーにしては進行が早いんだなとも思いました。先日中学校説明会に行き地元の普通の学校なので今後のことの相談とお願いを教頭先生に話したのですがなかなか厳しい状況でいまかなり落ち込んでいます。小学校ではかなり対応して頂いたり友達も手助けしてくれたりいい環境になっていました。
    今後も筋ジスを取り巻く環境や状況など分かることがあればblogを発信してください。宜しくお願いします。

  7. gorian91 より:

    川島さん
    初めまして、gorian91です。

    嬉しいお言葉をありがとうございます。

    今後どうなるのか、どのように伝えたら良いのか、難しいところですよね。

    話を聞く限りでは、ベッカー型の中でも病気の進行は比較的遅い部類のように思います。

    ただ、知らないうちにじわじわと進行していくのがこの病気の怖さなので、特に見えない部分の筋肉である心臓の検査は定期的に行ったほうが良いかもしれません。

    今後も参考となるように色々と書いていきますね!

  8. gorian91 より:

    真理子さん、こんにちは、gorian91です。
    嬉しいコメントをありがとうございます。

    病気診断までの経緯が私と似ていますね。

    学校での生活のことをいうと、私も小学生の頃は学校側の理解を得られていましたが、中学校(地元の普通の学校)に入ると、全くと言っていいほど、学校側の理解を得られていませんでした。

    例えば、体育の授業についていけずに休んでいたことも、教師には、ただサボっていたように思われていて、成績は10段階で4くらいでした。

    でも、その分、人並み以上に勉強だけはしていて、良い成績をずっとキープしていたので、特に学校側と揉めることはありませんでした。

    できないことはできないと主張をして、できることはきっちりやることが大事やと思います。

    ただ、体育授業をさぼって内申点が低くなると、仮に公立高校に進学する場合、学力よりも低い偏差値の学校を選ばないといけなくなるので、できることなら、学校側に事情を説明して、理解を得た方が今後のためには良いかもしれません。

    今後も筋ジスのことを書いていこうと思っているので、何か聞きたいことなどあればお気軽にご連絡くださいね!

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