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【ベッカー型筋ジストロフィー闘病記録:2】筋ジストロフィーの治療と病気との向き合い(小学校編)

少し前に公開したベッカー型筋ジストロフィーの闘病記録を読んだ同じ病気の方やその親御さんたちからメッセージをいただきました。読んでくださってありがとうございます。

僕は生まれてこのかた、親しい友人を除いて病気を隠して生きてきたので、こうしてブログで公にすることを躊躇していたのですが、書いて良かったです。

【ベッカー型筋ジストロフィー闘病記録:1】筋ジストロフィーの症状と注意すべきこと

前回はベッカー型筋ジストロフィーの病気や具体的な症状について書いたので、今回は、私の幼少期の頃のエピソードを振り返りながら、ベッカー型筋ジストロフィーのことについて書いてみようと思います。

筋ジストロフィーって治るの?

筋ジストロフィーは、根本的な治療法が確立されていないため治すことはできません。

ただ、日々の生活を工夫することで、症状が緩和されることもあるようです。(あくまで僕の体感です。)

例えば、毎日無理のない範囲でストレッチをする、食生活や栄養バランスの良い食事を取るなどですね。

特に、食事量や栄養バランスは体の筋肉量や体力に大きく影響するので、筋力を長く維持したいのであれば、しっかり考える必要があります。食事方法や栄養バランスは、スポーツ選手の食事が参考になります。

スポーツの中でも、サッカー選手の体作りはすげー参考になるのでおすすめです。

また、同じベッカー型筋ジストロフィーの当事者がやっている体のメンテナンスについても話を聞いてまとめてみたので参考までに。

参考:CPKの改善に瞑想が効く?ベッカー型筋ジストロフィーの当事者に聞いた生活に取り入れるべき5つの工夫

運動がちょっと苦手な男の子

ベッカー型の場合、高齢になっても動ける方がいるくらい、進行が遅いので、小学校くらいでは、健康な方と比べても、身体能力に大きな違いはありません。そのため、小学校では「運動がちょっと苦手な子供」と認識されていました。

普通に飛んだり走ったりできましたし、今はかなりコミュ障っぽくなっていますが、昔は社交的で活発な性格だったので、友達もたくさんいて、放課後は近所の公園でドッチボールとかサッカーをやったり、かなり活発な部類でした。しかし、問題は学校の授業です。

教師嫌いの原体験

小学校の時って、運動ができるやつが一番エライという風潮がありますよね。体育の授業は、真面目にやっていても、「もっと頑張りましょう」と通知表に書かれますし、体力測定の数値が低い人の評価は思いの外、低いものです。お前ちゃんと見てんの?と、思うくらいw できないなりに頑張っとんねん!くそが!このくそ教師が!!!!!と思っていました。

どうしても、運動能力が高い子が目立ってしまうのは、仕方のないことだし、評価されるべきなのでしょうが、これがすごい嫌でした。決して運動神経が悪いわけではなく、野球で打つのも得意だったし、サッカーも大好きでした。たぶん健康だったら野球バカになっていたことでしょう。

でも、体育の授業で試合をしても、早く走れないとチームでは邪魔者扱いを受けますし、かといって個人競技のマラソンとかは、走り終わったら足はこむら返りは当たり前、痙攣寸前の状態。だから見学したいといっても、教師にはさぼっていると思われてたんじゃないかと思います。

当時の教師は、休んでていいよと言っていたものの、明らかに顔に「またサボりかこいつ」って顔に書いてましたからね。子供ってそういうの敏感なんですよw

しかし、改めて考えてみると、病名までは判明していなかったので、子供が嫌いなものから逃げていると思われても仕方のないことかもしれません。小学校の頃の経験の積み重ねが、人に対する不信感、特に大人に対しての不信感、ひいては、教師嫌いにつながっていますw

真冬の下校中に死にかけ事件

小学校の頃、一度だけ、これ死ぬんじゃないか?って思う恐怖の体験がありました。小学校から自宅まで、距離にしておよそ800メートル。傾斜の急な坂道がある通学路に通っていたある真冬の日。

冬になると身体は、冷えて固くなります。すると、こむら返りが起こりやすくなります。こむら返りは、筋肉痛のひどくなった状態みたいなもんで、場所によっては動けなくなるレベルの痛み。

特に、痛くなりやすいのは、太ももの内側。ここでこむら返りが起きると、ほんと動けないんですよね。いや、動けるんだけど、すごい激痛です。普通の子供ならどうってことのない動きでも、筋肉が少なくて弱いので、変な方向に力がはいったりするとピキッとなるわけでして。

これが冬の登下校中に起こり、通学路の途中で動けなくなりました。当時はスマホなんてありませんから、連絡を取る手段もないわけです。

しかも、小学校は制服で冬なのに短パン。すんごい寒いです。50メートル歩いては休み、歩いては休みを繰り返し、激痛に耐えて、凍えそうになりながら少しずつ。

なんとか無事に家の玄関までたどり着き、身体は冷えきってそのままぶっ倒れ、コタツに運ばれ、お湯が沸き次第、湯船に放り込まれましたw

この件以降、母親が教師に連絡をしたのか、長ズボンで登校するようになりました。身体を冷やすとほんと怖いです。

身体を冷やすな!体育はサボっても問題ない!ただし、ストレッチは欠かすな!

病気がわからないと、対処方法もわからないとは思いますが、どちらにしても、間違いなくいえる大事なことは、身体を冷やさない(怪我したときは別)ことと、身体を適度に動かすことです。

特に身体を適度に動かすってのは最重要。筋肉がつかないとはいえ、厳密に言えば、筋肉がつきにくく筋肉が落ちやすいだけであって、多少は筋肉はつくんですよね。(体感なので、医学的には不明です)

某病院で診療を受けたときは、筋肉はすり減るものだから、できる限り慎重に筋力を残すことを考えたほうが良いというウンコみたいなアドバイスをいただきましたが、これはダメです。

「筋力の低下が起こらない程度に動かすべき。できることはできるうちに経験しておく」ってのが正解です。走れるうちに走ったほうが良いし、スポーツができるうちにやったほうが良い。だって、数年もしたらできなくなるかもしれないわけですからね。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)です。

筋力の低下が起こらない程度ってのは、個人差なのでなんともいえませんが、思うように力が入らなくなる感覚が出ると危険で、筋肉痛になるまで使うとやりすぎです。

毎日ストレッチをして、適度に身体を動かす。ごく当たり前のことではありますが、これが一番大切なんじゃないかなーと思います。

まとめ

改めて人生を振り返ってみると、書きたいことが出てくる出てくる。この記事で高校編まで書こうかなーと思ったのですが、普通に本1冊分くらい書けそうなので、まずはこの編で。

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人の持つ可能性が広がる瞬間を伝えていくメディアsoar(ソア)で取材いただき、これまでの体験が記事化されたので、続編はこちらをご覧ください。

パソコンやITツールを活かしたら、病気があっても仕事ができた。筋ジストロフィーとともに生きる白井祥剛さん

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