先日、映画「バクマン。」を見に行ってきました。
「バクマン。」といえば、デスノートの作者コンビが手がけた累計1,500万部のヒット作。
漫画を読んで面白いことは知っていたものの、漫画の映画実写化は当たりハズレがあるし、原作を知ってると漫画と映画を比較してしまって、あまりに違い過ぎると気持ち悪くなってしまうので敬遠してました。
でも、今回は、そんな考えがどうでも良くなるくらい熱い作品でした。
日本で一番売れている漫画雑誌、週刊少年ジャンプの頂点を目指す二人組が、ライバルとしのぎを削り戦いながら成長していく物語。
ジャンプを爆速で解説する冒頭のナレーション、スピード感のあるストーリーにキャラクターにハマった見事なキャスティング。斬新な映像表現にマッチした音楽。
何もかもがすごい。
見た後はパワーをもらってやる気が倍増しましたw
映画としては地味になってしまいそうに思えますが、全くそんなことはなく、王道バトル漫画、いや、映画として成立させています。
すでに、監督がつぶやいてくれてますが…映画『バクマン。』公開25日間で動員100万人を突破しましたー!!!ありがとうございます!!しかし、まだまだこれからしぶといです!今から映画館へ是非((o(^∇^)o)) #映画バクマン。 pic.twitter.com/eAWRlTrLQI
— 映画『バクマン。』 (@bakuman_movie) 2015, 10月 28
日本一売れている漫画雑誌ジャンプを爆速で解説する冒頭で一気に心を掴まれたあとは、一気に物語が展開して息つく暇がありません。
主人公の二人組の漫画家、亜城木夢叶を演じるのは、るろうに剣心でお馴染みの佐藤健と神木隆之介。
原作ではちょっと気難しそうな雰囲気のある真城(佐藤健)に、フレンドリーで押しの強い高木(神木隆之介)の雰囲気が役にピッタリハマってます。
ヒロインの亜豆美穂は女優の小松菜奈。
いちいち可愛いし、出てくるシーンだけふわふわしているというか、なんというか、うん、可愛い。
作中唯一出てくる女性であり癒し。青春のシンボル。
そして、ジャンプ編集部の服部さんは、原作より遥かにイケメンの山田孝之に編集長はリリーフランキー。
特に服部は、原作と見た目が違いすぎて最初見たときは「エッ?」て思ったんですが、
「一体何日髭を剃ってないんだ?」
っていう良い意味で小汚い雰囲気に、テンション低めの感じがすごくイイ。
持ち込みの原稿を見るのって実際こんな感じなんだろうな。
ちなみに、実際のジャンプの編集者が着ていた私服を借りて撮影したそうな。
「あり」「条件付きであり」「なし」で連載を判断していく、アンケート至上主義の実力社会の厳しさを物語るリリーフランキー。ジャンプの編集長としての貫禄が半端ない。
そして、ジャンプ編集部の汚さも、生々しくて映画のセットとは思えないリアリティで違和感なく話に入っていけます。
細部のディティールのこだわりっぷりが半端じゃありません。神は細部に宿るとはまさにこのこと。
最後の極め付けは映像表現と音楽の一体感。
一言、言わせてもらうなら、
「サカナクションすげえ!!!」
サカナクションを完全に舐めてました。
というか、情熱大陸に山口一郎さん出てるし、いろいろビックリした。
「線を描く」をテーマに、漫画家の「漫画を描き出す苦しみ」とミュージシャンとして「音楽を作り出す苦しみ」を重ね合わせた曲「新宝島」。
この曲が素晴らしいのはもちろんのこと、
「こんなにも力強くGペンを走らせるのか!」
と驚いたのもつかの間、地味になりがちな漫画を描くシーンは、プロジェクションマッピングで激しくスピード感ある映像で描かれ、最大のライバルである天才漫画家、新妻エイジこと染谷将太との戦いは、ペンを武器に激しいバトルが繰り広げられます。
まさかバクマンでワイヤーアクションが観れるとはw
真城ことサイコーが漫画家になる原体験となった川口たろう(宮藤官九郎)との回想や、漫画家のライバルであり戦友でもある福田真太(桐谷健太)、欲望に忠実な平丸一也(新井浩文)、原作ではかなり下衆く描かれている中井巧朗(皆川猿時)などの俳優陣も、作品に絶妙な味を加えています。
良い意味でどこにも隙のない作品でした。
映画を年間5本も見ない私が、もう一度映画館で見に行きたくなった映画です。
思わず原作の「バクマン。」を大人買いしてしまいましたからねw
上映期間もあとわずかなので、まだ見ていない方は、是非映画館に足を運んでみてはいかがでしょう。