こんにちは、Gorian91(@gorian91)です。
この記事では、筋ジストロフィーの遺伝について解説します。
筋ジストロフィーは、骨格筋の変性、壊死による筋力低下を主な特徴とする遺伝性の疾患のことを指します。
より厳密に書くと、ジストロフィンと呼ばれる蛋白質の欠損によって、筋細胞膜の保持、強化、情報伝達に異常をきたす病気です。
ジストロフィンは、生物の性別を判定する遺伝子であるX染色体短腕にある巨大な遺伝子の一部で、この遺伝子が欠損、あるいは異常をきたすことによって起こります。
何が言いたいのかというと、筋ジストロフィーは遺伝性の疾患であり、親から子へ遺伝する可能性があるということです。
実は、この病気の怖さの一端はここにあります。
なお、今回取り上げるのは、筋ジストロフィーの中でも、遺伝形式が同じとされているデュシェンヌ型、ベッカー型です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、3,000人に1人の割合で発症する
筋ジストロフィーの中でも、もっとも発現頻度が高く、重症であるデュシェンヌ型は、3,000人に1人の割合で発症すると言われています。
これは、両親、祖父母、親族共に健康な場合のだいたいの数値としてご認識ください。
筋ジストロフィーの一般的なイメージは、もっとも症例数の多いこの型からきていると考えられます。
筋ジストロフィーの中でももっとも発現頻度が高く、患者数も多いです。
ベッカー型筋ジストロフィーは、30,000人に1人の割合で発症する
一方、筋ジストロフィーの中で、発現頻度が低く、軽症であるベッカー型は、3万人に1人の割合で発症すると言われています。
デュシェンヌ型に比べると、確率は10分の1程度の低さで患者数も少ないと言われています。
父親が病気の原因遺伝子を持っていると、25%の確率で孫に発症し、母親が病気の原因遺伝子を持っていると、50%の確率で子に発症する
筋ジストロフィーは、「X連鎖劣性遺伝」という形式で遺伝します。
生物の性別を決定する遺伝子に、X染色体とY染色体があり、その中のX染色体の異常、欠損によって遺伝するとされています。
また、病気の遺伝は、父親が病気の原因遺伝子を持っていれば、25%で孫に発症し、母親が原因遺伝子を持っていれば、50%の確率で子に発症します。
言葉ではわかりづらいので、簡単に手書きで図を描いてみました。
上は健康な女性と病気の原因遺伝子を持つ父親から生まれる子供について、下は、母親が原因遺伝子を持ち、父親が健康な場合の遺伝について書いています。
X染色体とY染色体が1つずつあるのが男性、X染色体が2つあるのが女性です。
赤丸で囲ったXが、病気の原因遺伝子を示しています。
子供が生まれるとき、母親と父親の片方の遺伝子が受け継がれます。
例えば、父親が原因遺伝子を持っていた場合、娘に病気の遺伝子が受け継がれ「キャリア」となります。
そして、生まれた子供が女の子の場合は、キャリアとなっても、ほとんどの場合病気を発症しません。女性の場合は、X染色体が2つで1対となっているため、遺伝子の欠損が補完されるからです。
しかし、ごく稀に女性でも発症する方がいるようです。
次に、母親が原因遺伝子を持っていた場合ですが、子供が生まれると、息子に原因遺伝子が受け継がれる可能性と、受け継がれない可能性が出てきます。
息子に原因遺伝子が受け継がれた場合、筋ジストロフィーが発症します。私のパターンがこれでした。
私の場合は、仮に結婚して娘が生まれたら病気の原因遺伝子が受け継がれたことになるので、子供には発症しないけど、娘が病気のキャリアとなる可能性があり、最終的に25%の確率で自分の孫に発症する可能性があるということですね。
まとめ
自分の学んだ知識を整理するために、筋ジストロフィーの遺伝について書いてみました。
改めて思ったことは、筋ジストロフィーに限らず、希少難病は、両親が健康でも突然子供に発症する場合があるので、誰にいつ発症してもおかしくないってこと。
だからこそ、こういう病気があるということを、誰もが頭の片隅に置いておくべきなのかもしれません。
世の中に数千以上ある希少難病のことを考えれば、そもそも健康に生きていること自体が奇跡で、感謝すべきことなのかもしれない、そんな気がしました。
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