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希望の職につきたい難病当事者がするべきたったひとつのこと。それは、雇用側の論理を理解して会社に利益を残すという強い意思を持つことだ

どんと任せてください!と誇らしげな表情のビジネスマン 雑記

こんにちは、Gorian91です。

少し前に書いた難病の方の恋愛に関するアンケートに引き続き、今回は難病の方の就職面接に関するアンケートをしてみました。

これを見て色々と思うことがあったので、今日はそのことについて書いてみます。

パッとしない健康な方よりも、受け答えが明瞭で期待できそうな難病の方が採用されやすい

質問内容は、「あなたが企業の人事担当者だったらどちらを採用する?」というもの。結果はこの通り。

ある転職関係の情報サイトで、企業の面接担当者が実際に悩んだ事例として紹介されていた質問です。

実際、自分が企業の採用側の立場だったら間違いなく迷います。

一見、受け答えが明瞭で期待できる難病の方に何の問題もないように見えるかもしれませんが、企業側からすると、そう簡単な話ではありません。

労働基準法によって守られる労働者の権利

道着姿で気合を入れる男性

というのも、労働基準法によって労働者の権利が守られているんですね。

社員を解雇させたとして、もし、それが正当な理由による解雇であったとしても、解雇された側が不当だといえば、管轄の労働局から呼び出しや調査が入り、解雇の正当性について説明を求められます。

例:ある難病の方を雇用したけれど、仕事の様子を見て向いてないと判断し、労働基準法にもとづき、解雇予告を出した上で解雇した。

具体的にどういうことなのかをこの例を元に考えてみます。

解雇された側が、解雇の理由が不当だと労働局に相談したとします。

すると、企業側は雇用を続けなければいけないのか、解雇することができるのか。

実はこれ、すっごい微妙なんですよ。

上記のケースでいうと、従業員としての適格性がないという理由での普通解雇となります。

普通解雇が正当であるか否かというのは、事業の種類、職務の内容、勤務態度、勤務成績、改善の余地、会社側からの指導など、様々な要素から判断されます。

様々な要素から、正当な解雇ではないと判断されれば、労働局から指導が入ります。指導が入れば、当然企業側は改善せざるを得なくなります。

営利活動を行う企業側からすると、仕事のできない社員や成果の出せない社員はお荷物でしかありませんから、本音を言えば、一刻も早くやめてもらいたい。

でも、労働基準法があるからなかなか解雇できない。

この人を採用することで本当に利益を残してくれるのかな?と採用に慎重になるのは当たり前なんですよね。面接に来たのが難病の方ならなおさらです。

それに加えて、難病の方は、病気にもよりますが、不測の事態が起きやすく病気を理由にあれができないだの、急にこれができなくなったなど、病気を盾に言い訳をされる可能性がある。

もちろん、難病なので本人にとってはどうしようもないことなのかもしれない。

でも、企業側からすれば、いきなり仕事を休まれたりしたら困ります。

病気を盾に言い訳をされたら、企業側は何もいえなくなる。

難病の方が就職しづらいというのは、企業の目的を考えれば当然の話。

難病でも働きたいという方は、企業側の理屈をしっかりと理解することが必要になります。

難病だろうが会社に利益を残せる人材と判断されれば採用される

どんと任せてください!と誇らしげな表情のビジネスマン

アンケートの結果に戻りますが、結果は見ての通り、受け答えが明瞭で期待できそうな難病の方を採用するという方が53%となりました。

健康だろうが成果を出せない社員は早かれ遅かれリストラされるし、難病だろうが成果を出せるのであれば問題はないと考える方がこれだけいるってことです。

一方で、31%の方がどっちも採用しないと答えました。

企業として存続していく以上、できる限り余計なリスクは排除したい。これは仕方のないこと。

採用すれば通勤中や就業時の安全配慮義務だってあるし、考えなければいけないことがたくさん出てきます。

会社を倒産させずに存続していくことだけでも非常に難しくて、株式会社は30年で99.98%が消えると言われているくらいなのに、難病の方に働いてもらう余裕がないっていう企業が多いはず。

難病の種類や仕事にもよりますが、一般企業で採用されるには、会社に利益を残せる人材だと思わせることが必要になります。

あれができます、これができますとアピールするだけではダメ。

これはできて、あれはできない。自分の病気はこういう症状があるからこんな問題が出てくる可能性がある。

だから、私はこういうやり方をして、問題を未然に防いで継続的に成果を出して貢献していきたいと思っている。

そこまで言えるようにならないと、まともな仕事にはありつけません。

難病でなかなか就職できないという方は、ここを強く意識していく必要があります。

自分を雇用することによるメリットを提示できれば採用されやすい

お年玉が子供銀行券だった時の表情

難病の方を採用するのは、会社側にもリスクになることは先程書いたとおりですが、アンケートを取っていたところ、ある方からこんな意見も。

難病の方を採ります!

難病を抱えていながら、働くという事は、のっぴきならない事情もあるかとは思いますが、ある程度自身の病気を受容し、次のステップに踏み込んでる方かと思いました。

こういう方は、強いです。心とか、仕事への姿勢が。

通院や体調により、在宅でのお仕事をする必要がある事も予想されますが、そのシステムは今後一般的なものになると思うので、働き方の先取りにもなります。

やる気のある方と、良い会社を築いていけると良いですよね。

難病を受け入れるということは、精神的にすごく大変なことです。

自分のやりたいことを諦めなければならないこともあるし、受け入れたくない現実を受け入れなければならないことだってある。

でも、難しい病気と向き合っている分、自分にできること、できないことを理解しているはずだし、得意なこと、苦手なことは人一倍わかっているはず。

自分の強みや弱みを理解して、次のステップに踏み込んでいるからこそ、どんな仕事でも前向きに取り組んでいけるだろうし、また、理解してもらえる企業が少ないからこそ、一度採用してもらえれば、熱意を持って仕事に取り組んでくれる可能性が高い。

働き方に焦点を当ててみれば、最近のIT企業では当たり前になっているクラウドサービスの活用や在宅ワークを使った新しい働き方を浸透させるための起爆剤にだってなるかもしれない。

難病の方を雇用するのは、企業側にとってはリスクがあること。

でも、悪いことだけじゃなくって、やり方によっては、難病の方と雇用することによって得られるメリットだってある。ここをきちんと提示することができれば、難病だろうが就職できると思うし、まともな職にだってありつけると思う。

当然、本人にスキルとやる気があればの話なんだけどね。

まとめ

今回は難病の方の採用について、企業側の理屈や難病の方が意識すべきことについて書いてみました。

一口に難病といっても種類が多くて症状も多種多様なわけで、企業側に一方的に理解を求めるのには限界があります。

だからこそ、難病の人たちは、企業側の言い分を理解して、その上で会社にどう貢献できるかをきちんと提示することが必要だと思うんですよね。

そんなことを伝えたくで、今回はこんな記事を書きました。

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