毎度、Gorian91です。
先日、視覚障害者の友人が、クレジットカードを作るとしたとき、「紛失される危険性が高い」という理由で作れなかったという話を聞きました。この話を聞いて思うことがあったので、今日はその話について。
法律が施行されても、染み付いてしまった差別はすぐには治らない
視覚障害のある知人があるお店でクレジットカードを作ろうとしたら「紛失される危険性が高い」という理由で作れなかったとの投稿が。代筆不可でカードを作れないってのはよく聞くけど、「紛失の危険性が高い」ってのは初めて聞いた。これは偏見だし差別よね。
— gorian91 (@gorian91)
この投稿を見てまず思ったのは、
「事業者さん、障害者差別解消法の施行前で良かったですね〜。」
ってこと。法律が施行されていたら、「障害を理由とする差別」となって訴えられていてもおかしくありません。
きっと担当された方が、障害者についての知識がなく、トラブルになったら困るから、とりあえず断っておこうと考えたのだと思います。
ちなみに、納得のいく説明を求めたところ「紛失の危険性が高い」という理由だけで、他に明確な説明はなかったそうです。
障害者差別解消法の施行2ヶ月前、関心が高まっているこの時期に起こるくらいなので、きっとこの国では、「障害者への偏見」が無意識に染み付いてしまっているのだと思います。
障害者差別解消法の施行は「スタートライン」でしかない
文化として根付いているものを変えるには、相当な労力も時間もかかる。「障害者差別解消法」は、ある意味、新しい文化を根付かせていく最初のきっかけだと思うんです。
あくまで法律の施行はスタートライン。問題はスタートしてからどうするか。ここからどうやって日本に文化として根付かせていくのかを、みんなで考えていかなければなりません。
法律が施行されても、絶対にすぐには変わらない。
でも、法律ができたことによって、障害者が主張できるようになる。だから、当事者は不当な扱いを受けたら、間違っていると主張して意思を伝える必要があるし、国や事業者は、その声を聞いてサービスを改善していく必要があります。
必要なのは「新しい文化」を育てる意識
差別の禁止に関する法律ができたことによって、何かしらの変化が起こることは間違いない。でも、「変化」に期待をするのは良いけれど、「過剰な期待」をすべきではないと思います。
法律によって、障害者が主張をできる環境が整ったのだから、不当な扱いを受けたら正しく主張をして声をあげる、その声をきいて、国や事業者が改善をする、少しずつ良い方向へ変化していく。
この繰り返し。
過剰な期待をして、すぐに改善されないからといって、怒って文句を言うだけでは何も変わりません。すぐに生活が激変するんじゃないかと「過剰な期待」をし、満足できないからといって文句を言って怒るだけでは意味がない。
「すぐには変わらない」ことを念頭に起き、「これから時間をかけて新しい文化を根付かせていく」。そのためには、自分がどういう立ち振舞をすべきなのか、あるいは、事業者はどういう配慮をすべきなのか、今一度、考えて行動していく必要があるのではないでしょうか。